ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第34回(ジェロ・マガ Vol.34 [2022年7月6日より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は私の地元青森県の伝統工芸品「津軽こぎん刺し」をご紹介します。
「こぎん」は今から200年以上前、弘前を中心とした農村地帯に生まれたとされています。当時の農民の衣装は麻でした。
木綿も出回っていたそうですが、当時の農民は麻の着物しか着ることが許されていませんでした。津軽の厳しい冬を乗り越えるため、麻布を少しでも長持ちさせるために「刺し子」にすることが習わしでした。

当初は補強のために麻糸を刺していましたが、少しでも温かくしたい思いから、麻布に木綿の糸を刺すようになり、やがて「津軽こぎん刺し」となりました。
こぎん刺しの基礎模様は「もどこ」と呼ばれ、現在40種類ほど存在し、それらを組み合わせることで、大きく美しい幾何学模様が生まれます。

私が小学校の頃は、家庭科の授業でこぎん刺しが行われており、コースターなどを刺していました。
現在、こぎん刺しはコースターをはじめ、ブックカバー、名刺入れ、トートバッグのワンポイントとして使われるなど、様々な日用品に取り入れられています。

また、こぎん刺しは初心者でもとっつきやすいため、幅広い年齢層に人気があります。
何十年も刺し手として活躍されている方が、若者や同世代の方に刺し方を教えたり、こぎん刺しを用いた新たな作品について意見を交わすなど、ワークショップを通じて世代を超えたつながりも生まれています。
こぎん刺しは伝統工芸品という面だけではなく、地域とのつながり作りのきっかけにもなっていると感じました。

今回は津軽こぎん刺しについてご紹介しましたが、伝統工芸品と地域の話題について何かありましたら、またご紹介したく思います。