ジェロントロジーとは

 

「ジェロントロジー(Gerontology)」とは、老人を意味するギリシャ語のgeronと、「学・論」を意味する接尾辞-logyがつながった言葉であり、年を取ることによる変化や、高齢社会に必要な仕組みづくりを、心理学、医学、社会学等の幅広い分野から学際的に研究する、欧米では盛んな学問です。日本では「老年学」と翻訳されることが多いですが、ジェロントロジーを教える大学はほとんどないのが現状です。

 

弊所会長の寺島は2018年8月に出版した『ジェロントロジー宣言-「知の再武装」で100歳人生を生き抜く』(NHK出版)において、「ジェロントロジー」という学問を、老年学という訳語から連想される高齢化に伴うマイナス面にフォーカスするのではなく、高齢者が積極的に社会参画して貢献する主体となり、かつ全世代が健康でより活躍できる新たな社会システムの構築を目指す「高齢化社会工学」と捉え直すことにしました。それを端的に表す言葉が、高齢者を社会に「支えられる側から支える側へ」です。

 

当機構では、上記のジェロントロジーの考え方に基づき、体系的な視界から社会総体のあり方、人間の生き方を探り、今後の日本の高齢化社会に相応しい新たな社会構想を提起し、仕組みづくりに貢献することを目指します。

ジェロントロジー宣言 寺島実郎