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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第103回(ジェロ・マガ Vol.103[2025年4月8日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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新年度に入り、どことなく気ぜわしい時期が続く中で、特に注意すべき「特殊詐欺」について書きたいと思います。

ニュース等で耳にしない日はないと言っていいほど、特殊詐欺にまつわる事件は、残念ながら身近なものになっています。昨年、認知されている件数だけでも20,000件を超え、合計被害額は約721億円にのぼります。

その手口が日に日に巧妙化してきています。直近では、スマートフォンへの着信が実在する警察署の番号が表示され、警察に偽装した電話連絡が来たり、固定電話に電話会社や官公庁から「電話線の停止のお知らせ」という自動音声が流れ、指定の番号を押すように誘導したりするなど、あからさまに詐欺とは気づけないような、実に様々な事例が出てきています。

特殊詐欺にひっかかりやすい人がどういうタイプの人か、ということがよくニュース等で示されます。例えば、若い世代よりも高齢者世代がひっかかりやすい、「自分は大丈夫」と思っている人ほどひっかかりやすい、等々…

一般的に、若い世代と高齢者世代の間で、認知機能の低下による判断力の差が原因とも言われますが、現実としては若い世代でも被害が広がっているのも事実です。(いわゆる「闇バイト」の問題にも通じます)どんな年代であれ、どんな性格であれ、大事なポイントは「判断力」だと思います。判断の質を高める(落とさない)ための努力は、どの世代であっても必要であり、特殊詐欺の例で言えば、「二者確認」が鍵です。電話の場合は、1対1でのやりとりとなり、どうしても相手方の話に入り込んでいってしまいますが、一度その流れを断ち、家族や、電話の中で出てくる「当事者」にこちら側から確認を取るという行動が大切です。「これで切ったら、取り返しがつかなくなる」など言葉を重ねられるケースもあるようですが、冷静に相手方に事実確認を重ねるなどして、基本的には事実の確認が取れるまで、相手方が「本当の相手ではない」という前提で話を進めた方が、落ち着いた対応が取れることにつながります。

特殊詐欺の事件が完全になくなることを切に願いたいと思います。そして今できることは、ひっかからない人(判断力を持った人)を少しずつ増やして、広めていくことが大切ではないかと思います。

(参考URL)

警察庁・SOS47 特殊詐欺対策ページ