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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第127回(ジェロ・マガ Vol.127[2026年4月7日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は、4月29日の昭和の日が近いこともあり、「昭和100年」について書きたいと思います。

今年令和8年(2026年)は、昭和元年(1926年)から起算して満100年、すなわち「昭和100年」にあたりますが、ご存じでしたでしょうか?昨年は数えで100年ということで、昭和100年にちなんだ企画やイベントが行われていましたが、大阪・関西万博がマスコミで大きく取り上げられる一方で、昭和100年の方はそれほど大きく取り上げられず、ご存じでない方もいるかもしれません。実は、昭和100年を契機に政府では、「昭和を顧み、その記憶を共有するとともに、新たな発見のきっかけや希望あふれる未来を切り拓く機会等の創出」に向けて、幅広い分野で関連施策を推進しています。そのうちの柱の1つが「昭和の躍動や体験を発掘し、次世代に伝承していくための施策」で、個人や企業が保有する資料の発掘、ICTを活用したアーカイブ化の推進など、歴史的遺産を次世代が活用しやすい形で保存・公開する取組が進められています。また、全国各地で昭和100年に関連してイベントや取組が行われています。今回は、大分県豊後高田市の「豊後高田昭和の町」(以下「昭和の町」)と、静岡県熱海市の「ホテルニューアカオ」の取組についてご紹介します。

豊後高田市ではかつて、約4割が空き店舗の商店街がありましたが、その建物の約7割が昭和30年代以前の建築であることを逆手にとり、2001年9月にその商店街を「昭和の町」として再生させました。この昭和の町は、建築再生、歴史再生、商品再生、商人再生の4つを軸に展開され、各店舗で代々伝わる「一店一宝」の展示と「一店一品」の販売を行い、商店街そのものを「博物館」と位置付けました。この取組は行政・商工会議所・商業者の三位一体の協力体制により推進されたこともあり、観光客は開始当初の2001年の約2万人から2003年には20万人を突破し、2019年では40万人に達しました。コロナ禍期間中には観光客は減少しましたが、2024年では約25万人まで回復してきています。

数えで昭和100年を迎えた2025年には、「昭和の町展示館」のリニューアルオープンや、「昭和の町スカイランタンフェスティバル」、「昭和の町音楽祭」、「昭和の町ヒーロー祭り」、等の様々な記念事業が行われ、2026年も昭和に
関する様々なイベントが開催されることになっています。昭和の町の詳しい情報は、豊後高田市のサイト(※1)からご覧頂けます。
※1 昭和の町・豊後高田市公式観光サイト

次に、「ホテルニューアカオ」の取組についてご紹介します。最近のニュースで、熱海市の観光客が増えており、特に若者に人気がある、と紹介されていましたが、いわばその牽引役とも言えるのがこのホテルニューアカオ(※2)です。
※2 ホテルニューアカオ ホームページ

同ホテルは1973年に開業し、 断崖の上という唯一無二のロケーションとヨーロッパテイストの豪華絢爛な内装で人気を博しましたが、2021年に新型コロナウイルスや施設の老朽化などの影響により、一時閉館しました。しかし、2023年7月に「昭和98年 熱海のシンボル蘇る」のキャッチコピーで営業を再開し、大規模改装を行わずに昭和のゴージャスな内装や
レトロなロゴの電飾看板をあえて残すという戦略が功を奏して、かつての家族連れ世代に加えて、SNS時代の若者層という新たな顧客を獲得することに成功しました。2025年には、6月から7月の約1か月間で「昭和100年祭」を開催するなど、1年間を通じて多彩なイベントを実施し、「昭和100年」を盛り上げました。また、昭和100年記念Tシャツ等の関連グッズの発売や、創業100年の駄菓子問屋とコラボした駄菓子スペースの設置など、昭和100年と関連した取組も行われています。なお、ホテルニューアカオだけでなく熱海市全体でも、2022年4月には「熱海ミニ横丁」が、2024年8月には「展望レトロ喫茶桃山館」がオープンするなど、昭和レトロをテーマにした施設が市内に続々と誕生しています。かつての「温泉の町」のイメージから、「昭和レトロ」を軸としたまちづくりや観光戦略の転換が、熱海市の観光客の回復に貢献したものと考えられます。

「昭和の町」、「ホテルニューアカオ」のいずれも、既存の建築物という「昭和の記憶」を観光資源として活用した事例となっています。その他の地域でも同様のまちづくりや取組が行われているところがあるかと思いますので、ご関心があれば探してみて下さい。また、昭和100年に関する各地のイベント・企画等の情報は、内閣官房「「昭和100年」ポータルサイト」(※3)で検索することができます。昭和の雰囲気を感じて見たくなった方は、そういったイベント・企画に足を運んでみてはいかがでしょうか。
※3 内閣官房「昭和100年」ポータルサイト