ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第132回(ジェロ・マガ Vol.132[2026年6月23日]より一部抜粋)
このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。
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今回は「アート」に関連するお話しをご紹介したいと思います。
みなさまは「対話型鑑賞」というアートの鑑賞方法をご存じでしょうか。「対話型鑑賞」とは、作品をただ鑑賞するのではなく、感じたことや考えたことを言葉にし、それを他の人に共有することで新たな発見を得る手法です。実際にはファシリテーターを務める講師の方が、参加者の方々にいくつか質問をしながら、アートに対する気づきや参加者同士の対話を促していく形で進んでいきます。この鑑賞方法に「正解」はなく、各人が感じたことすべてが尊重されます。また他の人の意見を聞くことで、自分になかった視点を得ることができることも楽しみの一つです。
近年では認知症の予防や精神的健康を促進する方法として、美術館でのアート鑑賞が注目されています。西洋諸国で実施された研究により、アート鑑賞が認知機能の維持・向上に寄与することや、高齢者の記録力、注意力、問題解決能力へのポジティブな効果が報告されています。その中に、2018年にカナダ・フランコフォニー医師会とモントリオール美術館が提携して始まった、「美術館の処方箋」という取組があります。医師が治療中の患者に、最大50回までモントリオール美術館の無料入館券を処方できる取組で、1年間の試験的なプロジェクトとして実施されました。
日本でも「文化的処方」という取組があります。「共生社会をつくるアートコミュニケーション共創拠点」(通称:ART共創拠点)という団体の取組で、医療・文化施設・地域のコミュニティが連携し、町にある多様な文化活動へ人々をつなぐ取組です。
https://kyoso.geidai.ac.jp/index.html
既に実装されている地域もあり、熊本県熊本市では熊本市現代美術館をハブとして、「熊本版文化的処方」の研究・開発がスタートしています。アートを介した誰かとの緩やかなつながりやコミュニケーションにより、人々の健康やウェルビーイングを高める取組が広がっています。
みなさまも芸術の秋を待たずに、アートの世界に踏み込んでみてはいかがでしょうか。
