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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第133回(ジェロ・マガ Vol.133[2026年7月7日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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私が以前執筆したジェロ・マガVol.87(2024年8月20日)では、担い手確保が問題となっている「民生委員」(国による居住要件緩和の議論等)について話題提供しました。それから約2年が経ちました。今回は、その続編として、私たちが昨年度に実施した調査研究の概要をご紹介します。

「民生委員・児童委員」のことを、ここでは「民生委員」と表現します。民生委員制度は、岡山県の「済世顧問制度」(1917年)と大阪府の「方面委員制度」(1918年)が始まりと言われており、来年には制度創設110周年を迎えます。民生委員は非常勤の地方公務員という位置づけです(民生委員法)。代表的な活動は、高齢者や障害者、子育て世帯等からの相談対応や訪問・見守り活動、サロン活動、災害時要援護者の支援態勢づくりなどです。民生委員の任期は3年(再選可)で、昨年12月に行われた一斉改選では、定数24万971人に対し、委嘱数は22万880人で、初めて欠員が2万人を超え、充足率も91.7%と低水準となりました。民生委員の担い手確保の問題が、さらに深刻化している状況が浮き彫りとなりました。
厚労省プレスリリース:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_68263.html

そのような状況の中、私たちは「持続可能な民生委員制度の構築に向けた調査研究事業」(厚労省 令和7年度社会福祉推進事業)を実施しました。この調査研究では、民生委員の担い手不足の解消に向けて、民生委員が活動しやすい環境の整備や負担を軽減するための方策、民生委員活動を支える体制のあり方等を検討しました。具体的に方策を検討する前に、民生委員を取り巻く課題について、次のとおり整理しました。
・民生委員の担い手確保
・民生委員活動の充実強化に向けた財政支援
・自治会・町内会のみに頼らない多様な推薦母体の開拓、確保
・配置区域や定数の設定
・委員制度や活動に関する正しい理解促進に向けた広報活動
・民生委員の業務範囲の整理と負担軽減
・就業と委員活動の両立を支援する社会的な環境整備
・そのほか、担い手確保に向けた中長期的な課題

これらの課題は、必ずしも一つひとつ明確に切り分けられるものではなく、互いに関連し合うものです。これらの課題に対し、対応の方向性を検討し、一部提言も行いました。
報告書
概要版
福祉新聞

前回の私のジェロ・マガの最後には「民生委員制度という大枠の中で、民生委員の負担過多にならないよう、その役割を地域の中で分担・分散していくことや、全国一律でない独自の地域福祉の在り方を模索していくことが必要」と締めくくっていました。令和7年度の調査研究の中では、民生委員の担い手確保や活動環境づくりに取り組んでいる全国の自治体にヒアリングをしました。例えば、埼玉県行田市では、市社会福祉協議会が主導して、住民同士が「気にかけ合う」関係づくりに取り組み、民生委員だけに頼らない福祉のまちづくりを進めています。三重県松阪市では、民生委員の役割を整理するとともに、「福祉まるごと相談室」や「休日サポートセンター」を設置し、平日に加えて休日にも、民生委員や地域住民からの相談対応を行える体制を行政が整備し、民生委員の負担を軽減しています。これらの事例以外にも、地域の特性を生かして独自の取組を行っている自治体も数多く存在することと思います。

実は、今年度も継続して調査研究を行うこととなっており、今年度は「民生委員の負担軽減に向けた業務・役割の整理」、「民生委員の活動負担や地域事情に応じた定数基準」に焦点を絞って検討していく予定です。昨年度よりも、さらに一歩踏み込んだ具体的な解決策、対応策について検討できればと考えているところです。