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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第137回(ジェロ・マガ Vol.137[2026年9月1日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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熊本地震、千葉、石川・富山、北海道東部等での豪雨に加え、8月30日には福井県で線状降水帯によるレベル5大雨特別警報が発令され、短時間での記録的大雨により甚大な浸水被害や道路冠水等が生じました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げますとともに、復興や生活再建にご尽力されている皆様の安全を心よりお祈りいたします。

ジェロ・マガでは災害・防災を継続的に取り上げておりますが、今後の備えを整える一環として、視点を変えてご自身の「健康」と「元気」に着目し、今回は日常生活の基盤となる食における「塩分の過剰摂取問題」と、足腰を維持・強化するための「軽登山(山歩き)の効果等」について取り上げたいと思います。

●塩分の過剰摂取問題

日本人の食における最大の栄養課題は「食塩の過剰摂取」であり、これは男女・世代間問わず共通の課題となっています。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」※1では、1日の塩分(食塩相当量)摂取量(目標値)は、成人男性7.5g未満、成人女性6.5g未満と定められていますが、現状では男性10.9g、女性9.3gとなっており、欧米諸国や豪州等との国際比較でも上回っています。これは、世界保健機関(WHO)が推奨している量(1日5g未満)の約2倍摂取している状況に当たります。
※1 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」

日本人の食塩の摂取源の約7割は調味料となっており、なかでも醤油や味噌、塩が多くの割合を占めています。調味料の摂取量は若年世代より高齢世代で多い傾向にあり、食品的には若年世代はインスタントラーメン等の加工食品、高齢世代は漬け物からの食塩摂取量が多い傾向にあります。

●過剰摂取が引き起こす問題と主な取組※2

人口動態統計によると、主に生活習慣や環境要因により引き起こされる慢性病(非感染性疾患(NCDs))は日本人の死因の50%以上を占めており、成人のNCDs等による死亡に対する主要決定因子の研究では、食事因子としては食塩の過剰摂取が最も大きいことが示されています。また、国際研究では、1日当たり10gの食塩摂取量だと、血圧は10年間でおよそ6mmHg上昇することが報告されています。さらに、日本における危険因子別の関連死亡者数では、高血圧は喫煙に続く第2位の危険因子と位置付けられています。過剰摂取に対する取組の一つとして、食品表示基準の改定により、2020年4月より市販の加工食品中の食塩量は「食塩相当量」として表示することが義務付けられました。これにより、消費者は一目見ただけで、その食品を食べた時にどれくらいの食塩を摂ることになるかを把握できるようになりました。また、産学官等連携による減塩の取組も進展しており、参画事業者数の拡大や企業努力による既製品に含まれる食塩量減少等の効果も出始めています。
※2 厚生労働省「健康的で持続可能な食環境戦略イニシアチブ」食塩のとりすぎ問題とは

●軽登山(山歩き)の効果等※3、4

次に、日常生活の基盤となる足腰を維持・強化するための「軽登山(山歩き)の効果等」について取り上げたいと思います。身体機能の衰えを防止するため、散歩、ジョギング、トレーニングジム通い等、色々な取組をしておられると思います。その中で軽登山(山歩き)をお勧めする理由としては、軽登山が無理なく足腰の筋力と心肺機能を強化する、不整地がバランス能力を強化する、自然と接することでストレス軽減に役立つ、軽登山は有酸素運動であり脂肪燃焼や基礎代謝向上等の効果が期待でき、また自宅近辺に低山や峠があれば移動時間も短く気軽に出かけることができるためです。
※3 山と渓谷オンライン「中高年登山者の運動生理学と体力不足の改善方法 ~長野県登山Safety Bookより」
※4 国立登山研修所「登山研修VOL.36」週1回の低山登山がもたらす恩恵とその具体的な実施方法について(笹子悠歩 山本正嘉)

●軽登山(山歩き)の注意点※5

他方で、軽登山は老若男女関係なく楽しめる手軽なアクティビティではありますが、実際に開始する際には幾つかの注意点が必要です。低登山とは言え、登山には危険が伴うことがあります。そのため必要な計画・準備(ルート確認、体調管理、熊・猪等の出現情報の収集等)や装備(靴、ウェア、懐中電灯、地図、携帯電話、水分、食料等)が求められます。また、家族や知り合い等に行先や計画等を予め伝えておくことも必要です。さらに、特に登りでは山頂を目指すあまりオーバーペースになりがちですので、疲労による下山時の転倒事故等のトラブル防止も考慮し「ゆっくり歩く」ことが重要です。なお、いきなり軽登山は少々ハードルが高いとお考えの方は、先ずは自宅周辺の坂道を上り下り(坂歩き)することで、日頃の運動不足の解消や山歩きのトレーニングになります。

※5 ヘルシスト「暮らしの科学」第75回 ハイキングの極意は楽に!ゆっくり!