ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第3回(ジェロ・マガ Vol.3 [2021年4月7日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。
Vol.3の今回はポストコロナ社会の展望と望ましい未来を考えるための、AIの技術を活用した最近の政策研究をご紹介します。

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2021年2月24日、国立大学法人京都大学と株式会社日立コンサルティングがAIを活用した、
ポストコロナの望ましい未来に向けた政策を提言として取りまとめました。

AIの活用により、ポストコロナの望ましい未来に向けた政策を提言
-女性活躍と働き方・生き方の「分散型」社会が鍵に-

この研究では、2020年から2050年までの30年間を対象とするポストコロナ社会の未来について、
AIを用いてシミュレーションを行い、約2万通りの未来シナリオを導出、それらを大きく6つのシナリオグループに分類しています。

その結果、ポストコロナ社会における望ましいシナリオは「都市・地方共存シナリオ」であること、また、シナリオの最初の分岐が2024年頃におこり、
「一極集中が加速し人口減少が進むグループ」と「地方分散が進み人口減少が改善するグループ」に分岐することなどが示されました。

また、私たちが都市と地方がともに繁栄する望ましいシナリオに向かうためには、共働き世帯の増加やサテライトオフィスの充実、
女性の給与改善等が重要であること、農業を含む地方における次世代の担い手の維持・育成支援に関する政策、
元気な高齢者を増やして東京圏の活気と自立性を維持する(高齢者が活躍する街づくり)政策が有効であると提言されています。

女性や高齢者の活躍をはじめとした、働き方・生き方の「分散型」社会への転換が、望ましい未来、
幸福な社会への鍵となることをAIが示していることは、大変興味深い結果です。