ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第17回(ジェロ・マガ Vol.17 [2021年10月27日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は災害が起こった時などにできるだけ被害に遭わないための情報を、2つご紹介したいと思います。

①ご自身が災害リスク地域に住んでいるか、確認する方法
我が国は暴風・豪雨、地震、さらには火山噴火など、様々な災害に見舞われ、毎年のように豪雨に伴う浸水や土砂崩れによる住宅被害がニュースになっています。

国土交通省住宅局は昨年、土砂災害被害、河川氾濫による浸水被害、津波による浸水被害を受けるリスクのある地域に居住する世帯数を推計し、「社会資本整備審議会住宅宅地分科会」において公表しました(本URLのp45)。

その結果は、土砂災害、津波浸水、河川浸水のいずれかのリスクのある地域に居住する世帯数は12,032,009世帯、総世帯数のうちの23.1%を占めるというものでした。
つまり、全国の約1/4の世帯は、今後上記の災害被害に遭う可能性がある場所に居住している、とのことです。

ちなみにこの資料、実は私ども(一財)日本総合研究所が国土交通省より委託を受け、(株)CAPsと共に推計した結果が掲載されたものです。

この結果は住宅・不動産関係者に対してインパクトを与え、Yahooニュースの記事でも紹介されています。

国土交通省も、できるだけこれらのリスク地域に新たに居住させないための施策を採り始めています。
皆様も、自分が住んでいる場所が災害リスク地域に該当するか、気になる方もおられるかと思います。
その場合は、ご自身が住んでいる市区町村のハザードマップをご覧頂くか、国土交通省が公表しているハザードマップポータルサイトから調べることができます。

②ご近所、あるいはよく使う橋やトンネルの老朽化度合いを確認する方法
近年、社会インフラの老朽化(そして保全・メンテナンス対応の遅れ)が問題視されており、10月3日の和歌山市での水管橋崩落は、我々に衝撃を与えました。
また、2012年には笹子トンネルで天井板崩落という、痛ましい事故もありました。

このように、皆さんが普段関係している社会インフラが、災害が起こらなくても老朽化により機能不全に陥り、それによって生活に支障をきたす、ということが十分起こり得るということになります。

そこで、社会インフラのうち、全国に橋梁とトンネルの現在の老朽化の状態を把握できる「道路メンテナンス年報」をご紹介します。

ここでは全ての橋梁、トンネルについて点検を行い、健全性が4段階で評価(Ⅰ:健全、Ⅱ:予防保全段階、Ⅲ:早期措置段階、Ⅳ:緊急措置段階)されています。

検索機能がついていないので各年の点検結果を見なければなりませんが、もしご近所の橋梁やトンネルが気になりましたら、探してみてはいかがでしょうか(国道にある橋梁とトンネルの場合は道路管理者:国土交通省、市町村道にある橋梁とトンネルの場合は道路管理者:地方公共団体、となります)。

緊急措置が必要な健全性Ⅳの橋梁・トンネルはさすがにほとんどありませんが、早期に措置が必要な健全性Ⅲのものはかなりあります(2016~2020年度の点検分で橋梁は約8.5%、トンネルはなんと約36%)。

もしご近所、あるいはよく使う橋・トンネルが健全性Ⅲだった場合は、注意して使われた方がよいかもしれません。