ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第19回(ジェロ・マガ Vol.19 [2021年11月24日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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ジェロ・マガVol.2及びVol.12にて、高齢化率日本一、かつ運転免許(車)を手放すことができない秋田県で、高齢者の「運転寿命」の延伸を図る取組を行う「秋田管内道路利活用調査分析業務」についてご紹介いたしました。
本業務の一環として、10月下旬~11月上旬にかけ計4回にわたり、道の駅「協和」四季の森において、秋田県大仙市の高齢ドライバーの方々を対象に「安全運転実践塾」を開催し、大盛り上がりとなりました。
「実践塾」の模様は、【3】(一財)日本総合研究所の活動情報にてご紹介したいと思いますが、ここでは業務の過程でサーベイした「電動車いす」について、お話ししたいと思います。

みなさまも、町中で「車いす」に乗られている方を目にすることがあると思います。私も幼少期に少しだけ、車いすに乗ったり押したりした経験があるのですが、幼心に「もっと格好よかったらいいのに」と思ったものです。
そして、何より腕が辛い!この前もパラリンピックをテレビで見ながら、どことなく自分が筋肉痛になったような気がしていました。

そんな私に、あなたに、「電動車いす」という選択肢があります。
手元でスティックを操作しながら移動する、いわゆる「シニアカー」とよばれるものも、そのうちの1つです。ちなみに「シニアカー」は「カー」と言いつつ、道路交通法上は歩行者扱いです。
ウォー「カー」です(違います)。したがって、免許も不要です。
最高速度は6km/hで、やはり「カー」と呼ぶには物足りないですが歩行者と考えるとジョギング相当、なかなかの速さです。
レンタルもしくは購入で入手することができますが、レンタルの場合は介護保険制度が適用され、ご本人の要介護度に応じて負担額が軽減される場合もあります。

技術よし制度よし、あとは「日常生活への馴染みよし?」です。
どんなにすごい技術でも、制度が整っても、最後は私たち1人1人が身の回り半径1mの範囲でそれとの共生を選ぶかどうかにかかっているのではないかと思います。(これは電動車いすに限った話ではありませんね)
実際に電動車いすは、施設や店舗により乗り入れの可否が異なります。
小規模な施設や店舗にはどうしても入ることが難しいですし、飲食店の場合、テーブルが電動車いすに乗ったまま食事ができる高さであるかどうかも重要なポイントになります。
電車やバスにも、なかなか「自由に」乗降することは難しい状況です。

本質的には、車いすに乗っている、いないに関わらず自由に移動し生活を送れることが大切です。
オンライン交流会等の機会で、都心部と地方部における移動・交通状況の違いについて、話し合ってみても面白そうですね。