ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第24回(ジェロ・マガ Vol.24 [2022年2月9日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は、2021年度よりスタートした「重層的支援体制整備事業」を取り上げたいと思います。
この事業は2017年に改正された社会福祉法に基づき、2021年4月に施行された事業です。
【地域共生社会のポータルサイト|厚生労働省】

この事業は、市町村において、既存の相談支援や地域づくり支援の取り組みを活かし、子ども・障害・高齢・生活困窮といった分野別の支援体制では対応しきれないような“地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズ“に対応する包括的な支援体制を構築するため、「属性を問わない相談支援」、「参加支援」、「地域づくりに向けた支援」を一体的に実施するものです。市町村の手上げに基づく任意事業ではありますが、昨年4月より取り組みが始まっております。

ここで掲げられている「地域共生社会の実現」について、少し考えてみたいと思います。
地域共生社会とは、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えてつながることで、住民一人一人の暮らしと生きがい、地域をともに作っていく社会を指しています。
昨年10月に厚生労働省の担当部局が、市町村職員向けに行ったセミナーの資料では、比較的コンパクトにまとめられていますので、もし宜しければご覧ください。
【「地域共生社会」の実現に向けた重層的支援体制整備事業の実施について】

当機構でも、高齢者を「社会に支えられる側から社会を支える側へ」をキーワードに、体系的な視界から社会相対のあり方、人間の生き方を探り、仕組みの構築を模索しています。
ここで考慮すべきことは、「コロナ禍」です。
人と人との交流が大きく制限されている中、どのように地域の課題を解決していけば良いのか、重要なポイントと認識しつつも、とても難しいポイントだと思います。

前回のメルマガでは、「デジタル技術」について触れましたが、本事業でも当然デジタルの技術は積極的に活用していくべきです。
しかし、さらに重要なのは「役割を持つ」という意識をどう醸成するか、だと思います。
現状は、自分・家族の健康や安全が第一という視点になり、外に目を向ける余裕が・・・と、正直なりがちではないでしょうか。
コロナ禍によって、外に向ける視界が狭くなってきてしまっているように感じます。
内向きになりがちな現状を超えて、「役割意識」の醸成を行う仕組みをしっかりと検討していかなければならないのではないかと感じています。