ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第29回(ジェロ・マガ Vol.29 [2022年4月27日]より一部抜粋) このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。 —-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—- 今回は乳酸菌と健康について取り上げてみたいと思います。 乳酸菌について、厚生労働省が提供するe-ヘルスネットでは、「発酵によって糖から乳酸をつくる嫌気性の微生物の総称。腸内で悪玉菌の繁殖を抑え、腸内環境を整える。」と説明されています。 「乳酸菌」と聞くと、ヨーグルトを想像される方が多いと思いますが、キムチにも多くの乳酸菌が含まれていることはご存知でしょうか。 キムチの乳酸菌は、まず原材料である白菜から生まれ、また適度な発酵温度によって空気中に存在する乳酸菌も自然に入りこみ、乳酸菌が増殖されていきます。 乳酸菌の健康効果としては、前述のように腸内環境を整え、免疫力を高めてくれますが、キムチが最も多く消費されている韓国では、2030年には平均寿命において日本を抜き、「世界一の長寿国」になるとも言われています。 乳酸菌には、植物から生まれる「植物性乳酸菌」と動物から生まれる「動物性乳酸菌」があります。 ヨーグルトに含まれる乳酸菌は「動物性乳酸菌」、キムチに含まれる乳酸菌は「植物性乳酸菌」に分類されており、「植物性乳酸菌」は胃にたどり着いても胃酸による影響を受けにくく、一方で「動物性乳酸菌」は胃酸に弱いと言われています。 つまり、乳酸菌が生きたまま腸に届くのは「植物性乳酸菌」であるキムチのほうがヨーグルトより確率が高いということになります。 ただ、植物性乳酸菌であっても、加熱してしまうと乳酸菌は死んでしまうため、チゲや豚キムチなどにして美味しく食べる方法もありますが、生きた乳酸菌を腸まで届けるためには、生で食べるほうが良いそうです。 (ただ、キムチには多くの塩分も含まれているため、多量摂取にはご注意ください。) また、納豆とキムチの食べ合わせも非常に良いと言われています。 納豆菌は、乳酸菌と違って生きたまま腸まで届き、悪玉菌を減らして善玉菌を増殖する働きがありますが、乳酸菌と一緒に摂取すると相乗効果が生まれ更に腸内環境が良くなります。 また、納豆に含まれている食物繊維の力も加わり、コレステロール値が下がったり、肌の調子が良くなるなど、健康面だけでなく美容にも効果的です。 私はキムチも納豆も冷蔵庫に常備しています。祖母と一緒に暮らしていた頃は、自家製キムチも作っていました。 これからの季節、冷たいうどんや素麵にかけて食べたり等、いろいろな食べ合わせに挑戦したいと思います。