ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第42回(ジェロ・マガ Vol.42 [2022年10月25日より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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前回Vol.32にて、「高齢者特別乗車証明書等の更新及びICカード化について」について、紹介させていただきました。

10月から運用が始まっていますが、横浜市でちょっとした混乱が起きているようです。

10月8日付の「毎日新聞」にて、今回運用が始まったICカードでは、普段利用している鉄道の自動改札機では使用できないということを知らず、利用方法に混乱が生じているという記事が出ました。

どうやら専用機器にICカードを読み取らせることが必要のようですが、交通系ICカードを一緒に入った財布などで自動改札機にタッチして、交通系ICカードから誤って料金が引き落とされるようなトラブルも起きているとのことです。

このような「ICT化」を巡る利用者の混乱というのは、もちろん未然に防ぐことに越したことはないのですが、広い視点から見れば、保険証をマイナカードへ組み込むことや運転免許証をマイナカードに・・などの動きも、物理的に1枚に集約されても、読み取る機械(端末)が別々であったり、運用方法が利用目的によって異なっていたりすると、利用者にとってはかえって不便になってしまうのではないかと感じてしまいます。

同じような感覚を受けたのが「自動レジ」。
今スーパーや小売店で導入が増えています。
もちろん高齢者に限ったことではないのですが、お店や端末によって操作が異なっているだけでなく、同じお店でも、テナントとして入っている店舗とそうでない店舗とで、操作方法が異なってしまうこともあり、結局「自動レジ」の近くに店員を配置しなくてはいけないという、やや本末転倒の状況になっているとよく耳にします。

「ICT化」の目的をはっきりさせることと同時に、単に効率化を追求するのではなく、利用者からの視点に立って、特に「ICT」に不慣れな高齢者層を取り残さず「ICT化」を進めていくことの大切さを改めて痛感しました。