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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第47回(ジェロ・マガ Vol.47[2023年1月17日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は、「エイジフレンドリーシティ」について取り上げます。

みなさま、「エイジフレンドリーシティ」という言葉をご存じでしょうか。
これは言葉の通り、「高齢者にやさしい都市」という意味で、2007年、WHOのプロジェクトにおいて提唱されたものです。

健康と自らの尊厳を維持しながら、地域社会との関わりをもちながら暮らしていくことは、私たち誰しもにとって大切なことです。
世界各国で高齢化が進む中、ともすれば社会保障費の増大や社会の担い手不足といった課題の側面に焦点が当てられますが、裏を返せば、「高齢者にやさしい都市」を、自らの目線で考え、実践できる人が多くなると前向きに考えることもできます。
ジェロ・マガ読者のみなさまはお気づきのことと思いますが、これは私たちジェロントロジー推進機構が目指す社会の姿と同じ考えであるといえます。

WHOは、2010年にエイジフレンドリーシティグローバルネットワークを立ち上げ、日本では2011年に、秋田市が初めてそのネットワークに加わることとなりました。
WHOでは、「高齢者にやさしい都市」を構成する要素として8つのトピックを設定しています。

・交通機関
・住居
・社会参加
・尊厳と社会的包摂
・市民参加と雇用
・コミュニケーションと情報
・地域社会の支援と保健サービス
・屋外スペースと建物

また、具体的な検証を行うために、8つのトピックに基づいた84のチェックリストも発表しており、「高齢者にやさしい都市」であるかどうか、セルフチェックをすることも可能です。
秋田市がWEBサイトでチェックリストを公表しておりますのでご紹介させていただきます。
(長いのでアクセスの際はご注意ください)

エイジフレンドリーシティグローバルネットワークに加盟している自治体は、8つのトピックに基づきそれぞれ「行動計画」を策定しています。
法定計画である、高齢者福祉計画・介護保険事業計画をその行動計画に位置付けている自治体もあるようです。

8つのトピックは、ハード面・ソフト面の両方で構成され、私たち生活者にとっても身近に感じられるものばかりです。
ただ残念ながら、「エイジフレンドリーシティ」はまだ日本において、あまり浸透しているとは言い難い状況のようです。
2019年9月現在、日本では秋田市、宝塚市及び神奈川県内の22市町の参加にとどまっています。(神奈川県WEBサイトより

今後ますます高齢化・人口減少が進むと予測されている中、歳をとっても自らの意欲や経験、知識を活かすことができる、また活かしたいと思える場ができる社会の仕組みづくりが急務です
その動きの1つとして、今回は「エイジフレンドリーシティ」を紹介させていただきました。
みなさまのお住いの地域は、「高齢者にやさしい都市」の要素をどれだけ満たしているでしょうか?
(私も今住んでいる地域でチェックしようと試みましたが、意外と判断が難しいなと思いました。)

ご参考
秋田市WEBサイト
宝塚市WEBサイト
神奈川県WEBサイト