ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第50回(ジェロ・マガ Vol.50[2023年2月28日]より一部抜粋) このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。 —-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—- 先日、労働力調査(総務省統計局)の2022年平均結果が発表されました。 65歳以上の就業率が年々増加しており、2022年は25.2%でした。特に65~69歳の就業率は50.8%と、2012年比で13ポイントも増加。就業者総数に占める高齢者の割合も13.6%と増加傾向が続いています。 継続雇用年齢の引き上げや年金制度の見直し、健康維持や増進のため働くという選択も増加していることが背景にあると考えられます。 就業する高齢者が増加すると同時に、労働災害による死者が増加しています。 少し前の統計数値ですが、2021年に労働災害で亡くなった60歳以上の方が360人で労災死亡者全体の43%に上ることが判明しています(東京新聞・記事より)。 参考:労災死の4割超が高齢者に 2021年360人(「東京新聞」2022.5.30) 特に、去年から今年にかけては、物価や光熱費の高騰に伴う生活コストの増大によって、働きに出る高齢者がさらに増える傾向にあります。 厳しい条件下で働く高齢者も少なくない中で、労働災害の増加も懸念されます。 高齢の労働者に対する安全衛生対策は、厚生労働省にてガイドラインの策定や「エイジフレンドリー補助金事業」等展開されています。 参考:厚生労働省「高年齢労働者の安全衛生対策について」 高齢者への就労を推奨しつつも、補助金制度の活用実態の把握含め、労働環境の整備や安全対策、システム設計等が十分に検討されているのか、広い視野で政策を形成することがいかに重要か考えさせられます。