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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第53回(ジェロ・マガ Vol.53[2023年4月11日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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日本人の平均寿命は年々伸びています。

また、日常生活に制限のない期間である健康寿命も同じく伸びており、この平均寿命と健康寿命の差が日常生活に制限のある「不健康な期間」となりますが、男女ともに2010年から徐々に縮小しています。

令和4年版高齢社会白書(内閣府)では、2010年と2019年における平均寿命と健康寿命の差が比較されており、男性の差は9.13年→8.73年に、女性は12.68年→12.06年に縮小しました。

人生を長く健康で過ごすために、健康寿命の延伸が重要となりますが、「ナッジ理論」を用いた取組をいくつかご紹介します。

ナッジとは「ひじで軽く突く」という意味で、「ナッジ理論」は人がより良い行動を取るきっかけを与える行動経済学の考え方のひとつです。

身近な例では、「トイレを綺麗に使用してください」と表示するのではなく、「いつもトイレを綺麗に使用いただきありがとうございます」とすることで、自分はトイレを綺麗に使用するのが当たり前と思わせることです。

例1

横浜市の特定保健指導の利用率が低く、案内封筒の開封率が2割程度であったものが、封筒に「今回を逃すと得をする機会を失う」ことや、普通に受診すると数万円かかることを記載することで開封率が約6割に向上しました。

例2

福井県高浜町のがん検診について、特定健診とのセット受診が希望制であったものから、セット受診を通常とし、セット受診しない場合の理由を記載させるよう変更したことで、セット受診の申込み率が36%から53%へ向上しました。

例3

私の地元である札幌市には、地下鉄駅の階段に「↑ここまで上ると◯kcal」というカロリー表示があります。

エスカレーターではなく階段で上ることを選択させるもので、健康増進のほかエスカレーターの混雑緩和にも寄与します。

上記のほか、運動や禁煙などの目標を家族や知人に宣言することも、自分の行動を変えるナッジのひとつです。

健康づくりに限らず、何か行動に移したい、変えたいと考えていることがありましたら、「ナッジ理論」を活用してみるのも良いかもしれません。