ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第69回(ジェロ・マガ Vol.69[2023年11月28日]より一部抜粋) このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。 —-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—- さて、年末といえば大掃除、大掃除と言えば年末、という認識の方も多くいらっしゃるのではないかと思いますが、そもそもなぜ年末に大掃除を行うのでしょうか。 大掃除は、お正月に年神様を迎え入れるための準備の一環として古くから行われてきました。年神様とは、元旦に家々に信念の幸せをもたらすために高い山から下りてくる神様で、年神様を家庭に迎えることで新しい一年の稔り(みのり)、安定した収入への御運を守護してくださいます。そんな年神様をお迎えし、気持ちよく過ごしてもらうために家をきれいにするのが大掃除です。 年末に大掃除をする、というのは上記の通り日本独自の風習のようで、海外では春など温かくなってから掃除を行う、という国もあるそうです。日本では年末の行事として確立している「大掃除」に関連して、積水ハウス・住生活研究所が実施した大掃除に関する調査「年始に向けた大掃除調査(2022年)」についてご紹介します。 これは、全国の20~60代の持ち家(戸建て、集合)に住む既婚の女性を対象に実施された調査です。大掃除の実施と、年始の家の状態の満足度の高さの関連性から、どのような大掃除を実施すると気持ちよく新年を迎えることができるのかを探っています。それでは順番に調査結果についてご紹介していきます。 1.大掃除にかけた時間と満足度の関連性 みなさん大掃除にどれくらいの期間を費やしますか? 計画を立てて少しずつ大掃除をする方もいれば、1日で一気に終わらせる方もいらっしゃるでしょう。この調査では、大掃除にかけた期間が長ければ長いほど、大掃除の満足度が高いと答えた割合が高く、反対に大掃除にかける期間が短ければ短いほど、満足していないと答えた割合が高い、という結果になっていました。 関連して、事前計画の有無との関係性について、大掃除に満足したと回答した人の65.1%は「情報収集をして事前に計画を立てる」あるいは「毎年のことなので情報を収集せずに事前に計画を立てる」と回答していました。 情報収集については、若年世代ほど実施している割合が高く、大掃除に満足度の高い20-24歳のうち情報収集して計画を立てると回答した割合が50.0%、25-34歳では31.4%という結果となっています。 2.大掃除を誰と一緒に実施したかによる満足度の関連性 今回の調査では「既婚の」女性に対するアンケートであるため、配偶者や子供、その他家族がいる前提での調査です。大掃除を誰と実施したかを聞いたところ、「配偶者・パートナー」と答えた割合が71.1%と最も多く、続いて「子ども」が23.7%、「父・母」は6%でした。1人で行った割合は25.5%と、約4人に1人という結果でした。 大掃除を一緒に行った人別に大掃除の満足度を比較してみると、「1人で行った」人で大掃除に大変満足または満足と回答した割合は38.1%であったのに対し、「配偶者・パートナー」と一緒に実施した人、「子ども」と一緒に実施した人はともに57.7%と、19.6ポイントの差がついています。 関連して、誰かと一緒に掃除をした人の32.5%が、大掃除をきっかけに家族内コミュニケーションが「大いに増えた」または「増えた」との回答結果でした。20-24歳では52.0%、25-34歳では44.1%と若年世代ほど割合は高く、これは1で取り上げた、大掃除に関する事前の情報収集や計画を立てる中で、コミュニケーションの機会が増えたのではないかと考えられます。 大掃除の前に情報取集し、計画を立て、家族と一緒に実施することで、大掃除への満足度も高くなる、という結果が数字で見えるのはとても興味深いと思い、今回ご紹介させていただきました。 調査結果の一部をご紹介させていただきましたが、積水ハウス・住生活研究所による「年始に向けた大掃除調査(2022年)」では、「満足する大掃除」につながるヒントが紹介されています。 みなさんもぜひご覧ください。 引用元:積水ハウス・住生活研究所「年始に向けた大掃除調査(2022年)」