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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第74回(ジェロ・マガ Vol.74[2024年2月13日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回の「ジェロントロジー総合講座」修了者向けメールマガジン(ジェロ・マガ)Vol.74では、先日美馬市で開催された「ジェロントロジー・ワークショップ」の報告を通じて私自身改めて気づかせていただいた「対話」の大切さをお話ししていきたいと思います。

去る1月20日(土)、美馬市にて「ジェロントロジー・ワークショップ」が開催され、そのファシリテーターを行ってまいりました。当日は天気にも恵まれ日差しが暑いぐらいで、ここ最近の都内の寒さを思うと信じられないほど、ののどかなひとときとなりました。

この日、テーマとしたのは「アクション」。美馬市では、ジェロントロジー総合講座修了者を「ジェロントロジー市民アンバサダー」に任命しており市民アンバサダーは「人生100年時代」を生き抜くために必要となる知識や知恵を家族や友人、ご近所の方など周囲に広げ地域に「ジェロントロジーの輪」を広げていく役割を担っておられます。

今回のワークショップのゴールは、「市民アンバサダーとしての具体的なアクションを考えてもらうこと」に設定されました。「具体的なアクション」というところでは「一歩踏み出すことの難しさ」をこれまでも多くの人から聞かせていただき、また、自分自身で顧みることも多くあるものでした。

そこで、今回のワークショップでは「振り返りから始める」手法を取り入れました。以前のジェロ・マガでも少し紹介したことがありますが弊機構の前身である研究会で作成した「人生そうぞうノート」は個人ワークとグループワークを織り交ぜながら、自分の今後の生き方や具体的なアクションを見定めるために様々な人や物事とのつながりの中で「自分が何を大切にして、誰と関わり、どう生きてきたか」を振り返るステップを設けています。そして、それをワークの参加者と共有しながら自分と他者の「いいとこ探し」の感度を上げることを通じて今後の生き方を考える一助としていただくと設計にしています。

「人生そうぞうノート」は宿題付き(!)のため、しっかりワークショップをするとなると、数日がかりの大仕事になってしまいます。今回は時間の関係もありその「短縮版」のような形で実施することとなりました。

参加者の方々には、4人ほどのグループに分かれていただき、下記について「アセットマップ」で整理していただきました。
「人的ネットワーク」…自分が「相談」できるひと
「資産」…お金、スキル、経験、自分の強みなど
これを踏まえ「自分の人生における価値観(キーワード)」を3点列挙していただきました。

最初は個人ワークでしたが、10分も経たないうちにワイワイガヤガヤの雰囲気が生まれ、こちらが促すまでもなくご自身のアセットマップについて、グループ内での分かち合いが始まりました。

ワークショップの参加者は、年代も経歴も多様でした。私から見ると、全ての方がジェロントロジーを軸に、自己研鑽や地域活動に取り組まれている熱心な方ばかりの印象ですが中には「自分は大したものではない」と謙遜される方もいます。ただ、自分と全く異なる価値観・バックグラウンドを持った方ととことん対話をする時間を通じて、自分にとっての「普通のこと」が誰かにとっての「すごいこと」だという気づきが生まれ「強み」や「価値観」が言語化されていきました。こうした賑やかなグループワークを経て「自分のための」アクション、そして「周囲の大切な人のための」アクションについて、各自「アクションシート」に記入をしていただき、閉会となりました。

後日、共有いただいたアクションシートを拝見していると取り組みたいアクションが様々書かれていた中に「対話すること」という回答が一定あったことが印象的でした。近隣関係の希薄化が叫ばれて早何年…という時代です。さらにコロナ禍が追い打ちをかけるように人と人とのつながりを断っていったことも否めません。そうした中で「とことん対話して、考えを深める」場から生まれるアクションの可能性を、気づかせていただいたひとときでした。

「対話」というと、特にこのところは組織運営・マネジメントの観点からその重要性が説かれた書籍も多く出版されています。「はやく行きたければ一人で進め。遠くまで行きたければみんなで進め」という、出所不確かな名言も思い起こされるところです。(総理が所信表明演説で話していたのが、随分前のことのようですね…)

異なる立場や背景を持った人々による「対話」には、地域社会の中で生きる(…生きなければならない?)私たちにとってとても多くの可能性が秘められている、と美馬市のみなさまに、改めて気づかせていただいた1日でした。

*対話とともに!振り返りのすすめ
本気で自分に向き合う作業というのは、なかなかつらいものですが今回使用した「アセットマップ」のようなものがあると、その端緒が掴みやすいかもしれません。

弊所会長の寺島も「年に1回など定期的に作り直して、以前の自分と何がどう変わったかを比較する」ことを推奨しています。これから年度末を迎えるにあたり、取り組まれてみてはいかがでしょうか?今回は「人的ネットワーク」と「資産」という枠組みを利用しましたが「こんな項目でも、アセットを洗い出せるのでは?」とお気づきになられた方がいらっしゃいましたらぜひとも教えてください!