NEWS

ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第78回(ジェロ・マガ Vol.78[2024年4月9日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-+—-

少子高齢化と政治の関係で「シルバー民主主義」という言葉があります。
ご存知の方も多いと思いますが、改めて簡単に説明しますと、有権者全体に占める高齢者の割合が大きくなり、高齢者の政治的影響力が高まる(と想定される)ことを意味する言葉です。ここで想定されているのは「高齢有権者数の増加」という量的側面ですが、政治的影響力を考える際には、政治参加がどの程度なのか、すなわち投票率も重要な要素となってきます。そこで今回は投票率について、取り上げてみようと思います。

年齢別の投票状況は、総務省が公開している以下の調査で整理されています。なお、いずれも全数調査ではなく、標準的な投票率を示す選挙区を取り上げて行われた抽出調査とのことです。

衆議院議員総選挙・最高裁判所裁判官国民審査結果調
参議院議員通常選挙結果調

2021年衆議院議員選挙の年齢別投票率をグラフ化すると、以下のとおりです。

このデータからは、
①最も投票率が低いのは、男女ともに21歳
②60代後半~70代前半まで、年齢が上がるほど徐々に投票率が上昇
③最も投票率が高くなるのは、男性が73歳、女性が68歳
④それ以降の年齢では徐々に投票率が低下
⑤投票率は、60代前半まで女性の方が高いが、それ以降の年齢では男性の方が高いといったことが分かります。

次に、2003年衆議院議員選挙~2021年衆議院議員選挙について、投票率(全体)、最低投票率、最高投票率を整理してみました。

ここからは、
①最低投票率を記録するのは、男女ともに20~23歳
②男性の最低投票率は、概ね20%台後半を推移
③女性の最低投票率は、概ね30%台前半を推移
④最高投票率を記録するのは、男性が65~77歳、女性が66~72歳
⑤男性の最高投票率は、概ね80%台前半→70%台後半と変化
⑥女性の最高投票率は、概ね70%台後半→70%台前半と変化
⑦男女ともに最高投票率を記録する年齢が70代前半に上昇
といったことが分かります。

④からは、高齢者になると政治的には、女性より男性の方がアクティブになることが示唆されます。また、⑤⑥からは、高齢者の「政治離れ」が進んでいる印象を受けます。

これらの事実は、「シルバー民主主義」の議論を否定するものではありませんが、慎重に向きあう必要があることも示唆しているのではないでしょうか。

紙幅の関係もありますので、今回はここまでにして、今後も継続的に「政治と高齢化」に関するトピックスを取り上げていきたいと思います。