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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第79回(ジェロ・マガ Vol.79[2024年4月23日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今月10日には令和6年能登半島地震発災から100日を迎えました。また、先週17日には、豊後水道を震源とする地震があり、愛媛県と高知県で震度6弱の揺れが観測されています。地震だけではなく、水害等様々な災害に備える時代になってきております。

弊所では、自主研究として取り組んでいる医療・防災産業創生協議会に始まり、委託事業では、防災関係のワークショップや勉強会の実施や、自治体の防災対応力向上のための訓練や研修等、災害、防災に関する事業も増えてきています。

その中で、災害時の自治体の対応として、メディア対応の重要性が挙げられており、今回はメディア対応についていくつか情報共有したいと思います。

メディアトレーニングとして、アメリカのPR会社でも取り上げられているポイントを列記します。

①マスコミを通して話すことの責任の重大性を意識する
マスコミを通して話すということは、目の前の記者だけではなく、そこから数十万、時には数千万人に向けて話すことになることを忘れない。この点を意識しないと、数人の友達と話しているつもりのコメントが大炎上を引き起こす一部のSNS投稿者になりかねない。

②話し方は「ニューススタイル」
不特定のマスに伝えるため、明確に、誤解なく理解してもらえる話し方としての「ニューススタイル」をとる。スタイルとしては新聞記事のように、見出し、リード文、本文のような形式をとり、リード文では5W1Hで記事のポイントをまとめる。

③キーメッセージを用意する
キーメッセージとして、伝えたいポイント、例えば、謝罪、危機に関する思い、再発防止策、被害者への対応、理念等をまとめる。メディアで取り上げられるのは長くて数分と考えると、冒頭のスピーチだけでなく、すべての回答に盛り込むことにより、話し手の思いや主張がニュースに取り入れられる可能性が高くなる。

④意地悪な質問にはまともに答えない
意地悪な質問とは、正直に答えるとマイナスの影響を与えるかもしれない質問のこと。これらには、最初にイエス、ノー等を明確に答え、上記③のキーメッセージを加え、話し手のストーリーにつなげる。

⑤「直接対応」と「間接対応」を使い分ける
新聞(紙媒体)とテレビは、同じメディアでも、読者・視聴者へのコメントの伝わり方が大きく異なる。話し手の影響力は新聞(紙媒体)の場合は記者を通じてのものとなり間接的であり、テレビの場合は直接的となる。テレビ対応の方が印刷媒体の対応よりはるかに難しい。

また、自治体の災害時の危機管理対応として、消防庁では
「市町村長による危機管理の要諦-初動対応を中心として-」や事例集がまとめられています。
市町村長や市町村の責任者の方向け(総務省消防庁ホームページ)

ニュースでは、自治体の方の発言に対する炎上事件ばかりが目立ちますが、自治体の方がどのように備え、対応し、配慮した発信を試みているところがうかがえます。

最後となりますが、先日、広報コンサルの方にヒアリングを致しました。
「記者会見としてはまず冒頭に何を伝えるかが重要である。例えば、災害時であれば、被害者の方へのいたわりの言葉等。事実説明に徹するだけではなく、このような配慮は重要なポイント」とのコメントがありました。
また、著書の中では、マスコミ対応のテクニックとして「外見インパクトは55%、声の調子は38%、言葉は7%。とにかく外見は重要。『良い姿勢』は自信にあふれているように見える」との記述がありました。

災害時のメディア対応というところから話を始めましたが、自分の言葉を多くの伝えるという点では、配慮の点や外見の印象は通常の生活にも通じるものがあると勉強になりました。

雑駁な話題となりましたが、何か生活のヒントにしていただけると幸いです。

【参考】
・石川慶子『マスコミ対応 緊急マニュアル』(ダイヤモンド社)
・山口明雄『危機管理&メディア対応ハンドブック』((株)宣伝会議)