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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第80回(ジェロ・マガ Vol.80[2024年5月14日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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以前にも本メールマガジンにて触れましたが、(一財)日本総合研究所では2012年より幸福度研究を積み重ねてきており、2022年には第6弾の『全47都道府県幸福度ランキング2022年版』を日総研出版より発刊いたしました(本年中には2024年版発刊予定)。

弊所の幸福度研究は、公表されている統計等に基づいた客観指標を用いて、主に都道府県別の幸福度の分析を行なっており、アプローチ方法は異なりますが、その「幸福」に関連して、先日(5月9日)、朝日新聞デジタルにて下記記事が配信されました。

▽朝日新聞デジタル
「人生の幸福のカギって? ハーバード大の大規模追跡調査の結論」

ハーバード大学が85年以上にわたって続けている大規模調査によれば、「幸せな老後を迎えられるかどうか」は、「現役時代からの人間関係の良しあし」によって規定されるとのこと。そして、幸福の二大予測因子として、「他者と過ごす『時間』と『質』」を挙げています。

ジェロントロジー研究の視点から見れば、これまで行なってきたワークショップ等を通じて、お会いしてきた方々とご一緒する中で、築いている「人的ネットワーク」の「量」よりも「質」の面で、その方の人生の充実度に少なからず影響を与えていることを実感します。そして、ご本人が充実しているからこそ、他者や地域社会に対して何らかの貢献をしようというアクション(動機付け)につながっていることが、実感にも近いように思います。その裏返しとして、ハーバード大学の研究が挙げている、「慢性的な孤独感」は死亡率を高めているという構造も、大いに納得ができるものです。

さて、コロナが5類に移行して、1年が経ちました。コロナの4年間を通じて、人間関係のあり方について考えさせられた方も多くいらっしゃったのではないでしょうか。「知り合い」「友達」はとても多いと思っていたが、深いところで相談できる相手が思いのほか少ないのではないか?(逆もまた然りで、果たして自分はそういう存在だったのか…?)付き合いが減ったおかげで、本当に大切だと思う仲間との時間が多く取れるようになった。等々…

「幸福」や「人間関係」など、漠とした概念で人それぞれの考え方があって良いと思います。ぜひ一歩踏み込んで考えるヒントにしていただけると幸いです。