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特別寄稿~徳島県美馬市~

徳島県美馬市では、「人生100年時代」美と健康のまちづくりプロジェクトの一環として、ジェロントロジー講演会を開催しております。

今回は、世界最高齢プログラマーとして知られ、デジタルの最先端を歩んでおられる若宮正子さんにご講演いただきました。ジェロ・マガをご覧の皆様にも「人生100年時代」を楽しむコツを
お届けできればと思い、寄稿させていただきます。

【美馬市ジェロントロジー講演会「人生100年時代を生き抜くために」】
6月30日(日)、地域交流センターミライズ美馬市民ホールで「人生100年時代を生き抜くために」と題した美馬市ジェロントロジー講演会を開催したところ、362名の市民の皆様にお集まりいただきました。
世界最高齢プログラマーとして知られる89歳の若宮正子さん。
1時間30分にわたる講演中、ずっと立ったまま身振り手振りで
お話しされました。話の内容だけでなく、そんな若宮さんの姿に大変感銘をうけたというお声をたくさんいただきました。

【創造的に生きたい】
58歳でパソコンデビューした若宮さん。コンピューターはまだまだ高価なものでしたが、私も使ってみたいと思い切って購入し、介護もしながら、インターネットで世界を広げていきました。

81歳のときに、スマートフォン用のゲームアプリ「hinadan」を開発したことで、CNNの取材を受け、米国Apple社のCEOからWWDC(世界開発者会議)に招待されました。それをきっかけに、世界最高齢プログラマーと取り上げられ、国連イベントでの
講演や数々の政府主催会議の構成員にも呼ばれるようになりました。

【面白いこと大好き人間です!】
また、若宮さんは、エクセルの機能を使って図案を描く「エクセルアート」を考案した第一人者でもあります。完成したデザインは、布に印刷してお洋服に仕立てたりもしています。この日お召しになったお洋服も、ご自身がデザインされたものでした。

【超高齢化社会の現状】
2050年には65歳以上の人が全人口の40%を越しますと若宮さん。また、デジタルを活用する世代別の国際比較や、国内外のテクノロジー分野の事例の紹介があり、日本のデジタル競争力は世界32位で他国から取り残されているから、高齢者も含め国中のデジタルリテラシーの底上げが必要というお話をしていただきました。

深刻な人手不足対策も重要な課題です。人手不足の差を埋めるための進化として、デジタル化・テクノロジーがあります。そして、シニアがデジタルに対応することで社会が助かるのです。

【高齢者こそデジタルを!】
デジタルはとても便利です。

「あの、きゅうりに似てる野菜の名前って何だっけ?」と思ったら、検索ソフトに「きゅうり、似てる、野菜」と覚えている単語を入力すれば「ズッキーニ」と導きだしてくれます。これからはテクノロジーのお世話になって、高齢者は自立しなくてはなりません。例えば、ネットショッピングを活用すれば外出が困難になっても買い物に困ることはないでしょう。

【デジタルはあなたのいのちも守ります】
例えば、避難指示が出たとき、固定電話には通知はきません。高齢者こそ早めに安全なところに避難する必要があるのに固定電話しかなくて情報が届きにくいというのでは困ります。スマートフォンを持っていると、緊急速報メールで情報を確認することができます。

また、オンラインで家族や親しい人とつながることが災害時にも役立ちます。災害が起こったとき、LINEなどで「無事です」と一報もらえれば家族は安心します。シニアの私たちがスマートフォンに慣れておくことは、大事な防災の備えになります。

【人生100年時代を有意義に楽しく生き抜くために】
まずは、主体性を持って、ワクワクしながら新しい時代を学びましょう!わからないことは、AIにも聞いて学びを手伝ってもらいましょう。また、多くの人と交流しましょう。そのためには現役のときから友の輪を広げておくことも大切です。これが好き、あれが得意など、趣味が豊富なハッシュタグ人間を目指すといいです。外出が困難な場合でも、オンラインで交流することもできます。

この不確実で変化の激しい時代を生きるには、本質を知り、自分の頭で考えて判断するということが大事だと思います。何が起きても対応できる固定観念にとらわれない柔軟な思考と冷静な判断が求められます。

とにかく打席にたってバットを振ってみましょう!新しいものを
つくり出していく力を持ち、創造的に生きましょう!私もまだまだ未熟です。これからも大いに学び、成長していきたいと思っております。

拍手喝采で終了した本講演会。人生100年時代の生き方を大いに考えさせられました。今後も、市民の皆様が人生100年時代とは何かを知り、100歳人生の後半期に健康でいきいきと活躍できることを目指し、「人生100年時代」美と健康のまちづくりに取り組んでいきます。

詳しい講演レポートはこちらからご覧ください。