ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第99回(ジェロ・マガ Vol.99[2025年2月12日]より一部抜粋)
このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。
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今回は「こども食堂」についてお話をしたいと思います。昨年末の2024年12月に「こども食堂全国箇所数調査(速報値)」(※1)の調査結果が発表され、こども食堂の数が過去最多で全国で10,000か所を超えたことが分かりました。
(※1)認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえこども食堂全国箇所数調査2024結果(速報値)
さて、何故ジェロ・マガで「こども食堂」のお話を?とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。まず、「こども食堂」の定義ですが、各地域や活動主体によりさまざまな形で開かれており、明確な定義はありません。前述の調査では、回答した地域・自治体の定義に従うこととしていますが、参考として
「こども食堂・地域食堂・みんな食堂等の名称にかかわらず、こどもが一人で安心して行ける無料または定額の食堂」
という定義が示されています。
認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの発表資料(※2)によると、こども食堂は、2012年に東京で誕生したとのことで、2015〜16年ごろには「こどもの貧困対策」の一手法として注目されましたが、実際には貧困状態のこどもに限らず、誰をも受け入れる住民交流・多世代交流の場として機能しているところが多いようです。
※2 認定NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえ2024年11月22日配信のプレスリリース添付資料
(2024年12月11日改訂版)
つまり、地域のコミュニティの場としてとても重要な役割を担っています。これまでのジェロ・マガでも、人とのつながりや地域コミュニティの効果・大切さについて触れられてきましたが、「こども食堂」も地域の居場所・多世代交流拠点として、こどもの貧困対策のみならず、孤独孤立対策や災害に強い地域づくり、高齢者の健康づくりなど、さまざまな機能の拠点になりうる場になりつつあります。
一例として、東京都葛飾区で活動している「Eme-Ima(えまいま)」(※3)では、コミュニティ形成を通じた地域の防災力を高める活動として、こども食堂の他にもさまざまな取組をされています。2024年秋からは新たに古民家を活用した子どもの居場所づくりにも取り組んでおり、防災の備蓄品を用意したり、防災グッズを普段から体験できるようにしたり、何かあった時に助け合える「顔の見える関係」が出来る地域の交流拠点をつくろうと熱心に活動されています。
(※3)地域支援団体えまいま
皆さんのお住まいの地域には「こども食堂」はありますか?
参加する、支援する、色々な関わり方があります。運営側で活動してみるという点では、自治体によって立ち上げのポイントや活動例を紹介する冊子などを作成しているところもありますので、参考にしてみるとよいかもしれません。
<参考>
東京都福祉局 子供食堂スタートブック(令和5年3月発行)
札幌市子ども未来局さっぽろ「子ども食堂・子どもの居場所づくり」ガイドブック(令和4年4月発行)
