「一人一人が自分のインテリジェンス・ユニットを築けるか」――。
2024年3月に開講した第一期の本プログラムは、7月30日の塾長総括講義をもって、全21回の講義が終了しました。公益社団法人土木学会様をはじめ、関係する企業・団体様の御協力を賜りながら無事に終えられましたこと、この場を借りて御礼申し上げます。誠に有難うございました。
東証プライム市場上場企業などを中心とする企業関係者18名と弁護士や公認会計士、官僚、メディアなどの専門職能を有する個人の13名の計31名が毎週講義会場の寺島文庫ビル3階に集い、各分野の最前線でご活躍される講師からの講義や経営課題と格闘する経営者によるセッション等を通じて受講者自らの時代認識や問題意識を深めました。
「インテリジェンス(課題解決型の情報活動・分析)」や視界に入れるべきトレンド(アジアダイナミズム、異次元の高齢化社会、DX、ソーシャル・ファイナンス、ルール形成戦略等)をプログラムの底流に据え、3つの柱(ユニット)でプログラムを組みました。
一つ目の『ベース・ユニット』(下表「黄色」の講義)では、中核人材が持つべき「全体知」の基盤となる時代認識や課題解決に向けた行動の在り方等の本質に迫りました。
二つ目の『AI時代の先端性』をテーマとしたユニット(下表「緑色」の講義)ではDXの本質や人工知能の光と影等、経営・社会課題の高度化に生かせる実践知を学びました。
そして、三つ目の『新・MBAエッセンシャル』のユニット(下表「水色」の講義)では、多摩大学大学院の深化するMBAカリキュラムのエッセンスを吸収し、ビジネス創造や価値創出などに生かせる実践知を学びました。
受講者は各講義において、講師への質疑や受講者同士の意見交換等を通じ、各自が携わっている業務や専門分野等に引き付けながら、自社や自身の専門領域にとっての「インテリジェンス」とは何か、思考を巡らせていました。
第一期受講者の31名の受講生の多様さに象徴されるように、一般的な人材研修とは異なり、一つのテーマに対するものの捉え方や発想が実に多様で興味深く、この場が無ければ気づき得なかった新たな発見が、4ヵ月にわたる本プログラムの運営を通じて数多くありました。
各回の終了後には、受講者同士が一階・文庫カフェでその日の講義内容をレビューしながら、感想や意見、自身の問題意識・職務との関連について活発な意見交換を行いました。このような積み重ねを通じて、本プログラムに関わった主体(受講者、講師、ご協力いただいた企業・団体様、寺島文庫と(一財)日本総合研究所の事務局スタッフ等)で築き上げたネットワーク・場こそが、「課題解決のための全体知」を築くための基盤であり、一般的に言われる「人脈」を超えた課題解決につながる「ネットワーク力」が、埋没感深まる現代の日本社会に必要であることを強く実感しました。
今後、受講者は「インテリジェンス」をテーマとした修了レポートを9月末までに執筆し、レポート内容や参加状況等を踏まえ、「社会工学士」の修了を認定します(修了式を10月下旬に開催予定)。プログラム終了後も、意見交換や情報交換・交流の場を定期的に行い、「インテリジェンス・ユニット」としてのネットワークをより深化させてまいります。