ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第101回(ジェロ・マガ Vol.101[2025年3月11日]より一部抜粋)
このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。
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本日3月11日は14年前、東日本大震災が発生した日です。当時“1000年に1度”といわれたこの大災害は最大震度7の揺れと大津波が襲い、関連死を含めて2万2000人以上の方が犠牲になりました。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたします。今回は、防災や避難行動の学びに関する情報をお届けいたします。
災害の規模が大きければ大きいほど、消防や警察などの公的な救援活動が十分に機能するまでには一定の時間がかかります。一人ひとりが防災や災害が起こった際の対応の知識を身に着けることは地域の防災力の向上に繋がります。
国土交通省が2021年に実施した国民意識調査においても「防災・減災の実現に重要と考えること」について、23.3%の方が「自身や家族への災害に関する学習・教育」を重要であると回答しています。
<参考:他の項目の選択率>
○ハザードマップや避難場所・経路の確認:54.9%
○食糧・水等の備蓄や非常持ち出しバッグ等の準備:52.5%
○避難訓練への参加・実施:22.5%
※全国18歳以上の個人10,000人を対象として調査
さて皆様は、防災や避難行動に関する知識はどのように学んでおりますでしょうか。防災セミナーや勉強会、地域の防災訓練への参加、メディア等での情報収集などは多くの方が実践されているかと思います。東日本大震災以後、「防災を楽しく学ぶ」というコンセプトを基に防災に関するカードゲームやボードゲーム等が次々に開発されています。
ゲームとして学ぶことの魅力の一例として、以下が挙げられます。
・楽しんでいるうちに防災知識について学んでいる
・1位になるために戦略をたてることが、防災計画を考えることに繋がる
・子どもから高齢者まで多世代間で一緒に防災について考えられる
※ゲームにもよりますがイラストが多く、平易な日本語が使用されているので外国の方も一緒に楽しめます。
上記は魅力の一例ですが、私も実際に体験してみて一番よさを実感したのは、従来の講義形式や避難訓練では参加者が受動的になりがちなところ、ゲーム形式では主体的に学んでいた点です。参考として、私も体験したことのあるゲームをいくつかご紹介します。
○このつぎなにがおきるかな
・災害発生の際に起こる危険な状況とその行動を並べるカードゲーム。
・「じしん編」や「すいがい編」など4つの災害と7つのストーリーにて構成。
※国土交通省のサイトにて公開中(下記にURL掲載)
○防災すごろくゲーム「GURAGURA TOWN」
・町の中で買い物をしながらゴールを目指す防災すごろくゲーム。
・ゲームの途中で出題される「地震クイズ」に手持ちの日用品などのアイテムカードで答え、災害時のトラブルを解決するために有効な方法を知る。
最近、防災を“特別なものではなく、日常に溶け込ませていく”という発想(フェーズフリー)のもとで様々な取組みがなされています。防災ゲームも「遊んでいる間にいつの間にか防災に関して学んでいる」というものです。
ぜひ皆様も防災ゲームを体験してみて下さい!
★引用/参考
・国土交通白書
・防災に関する世論調査
・防災カードゲーム「このつぎなにがおきるかな?」
・防災すごろくゲーム「GURAGURA TOWN」【教材】
・認定特定非営利活動法人 日本防災士機構
・“備えない防災”「フェーズフリー」 日常のものが災害時にも使える!?(NHK防災)
