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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第56回(ジェロ・マガ Vol.56[2023年5月23日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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みなさんは、ヘルスツーリズムという言葉をご存じでしょうか。

ヘルスツーリズムとは、旅行を通して健康増進を図るというものであり、「医療費削減」、「新たな市場創出」、「雇用の拡大による経済成長」の一石三鳥の効果ができる分野として近年、世界的に期待されています。

特に日本には温泉があり、古来より病気や怪我を治す療養と心身の疲れをとり健康増進を図る保養を兼ねる湯治が行われてきました。

ドイツ、フランスをはじめとする欧州諸国では、科学的根拠に基づき温泉療養を医療行為と位置づけて、医療保険を適用する制度があるそうです。

日本においては原則、湯治のための費用は医療費控除の対象外ですが、例えば、厚生労働省では「運動型健康増進施設」、「温泉利用型健康増進施設」、「温泉利用プログラム型健康増進施設」を認定する健康増進施設認定制度を行っています。

観光庁の旅行の効用調査では、唾液アミラーゼ活性の測定によるストレス診断によって、入浴はリラックス効果が得られるという結果が出ています。

(この調査では旅行によって心、行動、身体にどのようなプラスの影響が出るかを調査し、まとめていますのでご興味がある方は文末のURLを見てみてください。)

また、旅行は五感(視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚)を使って普段と異なる非日常を味わうことができるため、前頭前野と海馬が活性化し、脳の老化防止にも良いと言われています。

1人旅とグループ旅行のどちらでも効果があり、特に1人旅では注意力や想像力、グループ旅行では協調性や想像力に関する脳部位が鍛えられるそうです。

遠出が難しい方は、灯台下暗しということで近所を散歩してみても新たな発見があると思います。

日本は四季の変化もありますし、近所の散歩も飽きない素晴らしい国ですよね。

みなさんもぜひ、たくさん旅行をして心も身体も元気に健康寿命を延ばしていきましょう!

★下記URLから厚生労働省が認定した「運動型健康増進施設」、「温泉利用型健康増進施設」、「温泉利用プログラム型健康増進施設」の認定施設の一覧を確認することができます。

健康増進施設認定制度(厚生労働省)

★下記URLから観光庁の旅行による効用の検証結果を確認することができます。

旅行による効用の検証結果のとりまとめ(観光庁)