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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第129回(ジェロ・マガ Vol.129[2026年5月12日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回は「働き方改革」について取り上げたいと思います。

厚生労働省では、働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(以下「働き方改革関連法」という。)施行後5年の状況を把握するため、労働者を対象とするアンケート調査、企業・労働者を対象とするヒアリング調査がとりまとめられました。労働時間等に関する労働者の意識・意向の調査として、労働者3,000人へのアンケートと、企業327社・労働者97人へのヒアリングで構成されています。
厚生労働省「『働き方改革関連法施行後5年の総点検』の調査結果を公表します」

労働者の実感としては、現在の労働時間を「このままでよい」が約6割、「減らしたい」が約3割、「増やしたい」が約1割との結果となっています。全体の約6割を占める「このままでよい」というグループでは、「仕事と生活のバランスを変えたくない」という、現在のワークライフバランスに納得している理想的な層が約半数で、その他には「収入を維持したい」や「これ以上労働時間が増えると体調に影響が出る」、「顧客との調整など、業務の性質上、減らすことができない」という切実な意見もありました。また、労働時間を減らしたいと考える3割の人々が重視しているものでは、「自分
の時間を持ちたいから」が約7割と一番多かったです。労働時間を増やしたいと考える1割の人々の意見では、「たくさん稼ぎたい」、「残業代がないと家計が苦しい」、「仕事の完成度を高めたい、知識や経験・スキルを高めたい」、「自分のペースで仕事したい」などとなっています。

現状の労働者の労働時間についての企業ヒアリングの回答は、「現状のままがいい」が201社、「「減らしたい」が73社、「増やしたい」が53社でした。その背景として、「現状のままがいい」の回答には、「人手不足で受注を確保するために本当は労働時間を増やしたいが、残業を増やすと人材の採用が困難になったり、若手を中心に『離職』を招く恐れがあるため、増やしたくても増やせない」という意見や、「増やしたい」の回答には、特に建設業や運輸業では、「労働者側の『もっと稼ぎたい』というニーズが、制度と衝突するケースも見られる」との意見もありました。

3月11日、日本成長戦略会議の労働市場改革分科会の初会合が開かれ、労働参加の促進に向けた柔軟な働き方の拡大などに関する検討を開始されています。経団連は、裁量労働制の拡充が柔軟な働き方の拡大につながり、多様な人材の労働参加を促すとして、対象業務を広げるよう訴えています。一方、連合は、裁量がない労働者への適用や長時間労働が懸念
されるとして、現行制度の適正運用の徹底を求めています。また、先月の日本成長戦略会議では、高市首相が裁量労働制の拡大に向け、現場の実態や労使双方の立場を踏まえて検討を加速するように厚生労働大臣に指示されました。

働く人がそれぞれの状況に応じて多様な働き方ができるために必要な制度は何なのか、「働き方」改革検討の今後の動向を見ていきたいと思います。