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ジェロントロジーに関する耳寄りな情報 第136回(ジェロ・マガ Vol.136[2026年8月18日]より一部抜粋)

このコーナーでは、ジェロントロジーに関連する、日々の生活や今後の生き方に役に立つ、あるいは「耳寄りな」情報をお届けいたします。

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今回のジェロ・マガでは、地震や大雨による下水道の機能停止や断水時、健康を守るうえで欠かせない「水分補給」と「トイレ・排水ルールと衛生環境の確保」への備えを取り上げます。ご自身やご家族、そして地域の方々とともに過ごすための「今後の備え」のきっかけにしていただければ幸いです。

●過去の災害におけるトイレ事情

能登半島地震(2024年1月)の調査によると、発災後に最初にトイレに行きたくなった時間は「3時間以内」が54.7%、「6時間以内」を含めると約9割に達しています※1。家族の安否確認もままならない段階で、真っ先に直面するのが「トイレの問題」です。自宅に大きな被害がなく在宅避難を継続できた場合でも、停電や断水が長引けば、排泄や匂い、衛生の問題は誰一人として避けて通れません。
※1 NPO法人 日本トイレ研究所「能登半島地震(能登町)における発災後のトイレ事情調査」(令和7年11月12日)

●災害時のトイレ排水トラブル――「流す前」の確認と衛生管理

在宅避難時、水が出たからとお風呂の残り湯などで不用意にトイレを流すのは大変危険です。排水管や下水管が破損していた場合、下層階の部屋への汚水逆流や、敷地外への悪臭漏れを引き起こしてしまいます※2, 3。「水で流さない」を守りつつ、家庭や地域で無理なく衛生環境を保つための具体的なステップを確認しておきましょう。
※2 埼玉県「防災マニュアルブック(家庭における災害時のトイレ対策編)」(平成28年3月)
※3 国土交通省「災害時のトイレ、どうする?」(平成29年3月)

●携帯トイレの使用・手洗いから「臭い対策」までの流れ

断水時は「手洗い」の水も貴重になるため、以下の手順を整えておくと安心です※2, 4, 5, 6。

◎便器にポリ袋を被せ、その上に携帯トイレ(袋+凝固剤)をセットする
◎水が使えないため、アルコールウェットティッシュや除菌スプレーを常備する
◎使用後はしっかり空気を抜いて結び、「防臭袋」や二重ポリ袋に入れる(新聞紙で包むとより効果的)
◎保管場所は、直射日光を避けた風通しの良い場所や、フタ付きのバケツ・密閉ゴミ箱を活用する

※4 Hint-Pot「夏の被災で想像以上につらい「トイレの悪臭防災士がすすめる備蓄と臭い対策」(令和8年8月5日)
※5 川崎市「災害が起きた時の「ごみ」のこと」(令和7年12月)
※6 宮崎市「【災害時】使用した携帯トイレはどう捨てる?」(令和8年3月9日)

●オムツや生理用品――多様な世代への配慮とゴミ出しルール

乳幼児のオムツ、高齢者の介護用パンツ、女性の生理用品なども、放置すれば悪臭や衛生悪化に直結します。これらも携帯トイレ同様に放置すれば衛生面や臭いの問題に直結するので、留意が必要です。なお、災害時のゴミ収集ルール(二重袋の指定や臨時集積所など)は自治体によって異なります※5, 6。ぜひこの機会にお住まいの自治体ホームページ等で「災害時のゴミ出しルール」をご確認いただければと思います。

●避難所や公共トイレを利用する場合の工夫とマナー

過去の災害では、避難所に仮設トイレが届くまでに「3日以内に到着した」と回答した自治体は35%未満にとどまっていることが確認されています ※1、7、8。やむを得ず公共の仮設トイレ等を使う場合への備えや心構えも重要ですね。

◎「マイ衛生ポーチ」の携帯:紙、アルコールティッシュ、便座シート、防臭袋をまとめた小袋をカバンに入れておく
◎「次の人」への配慮:使用後にサッと拭く、ゴミを持ち帰る・密閉して捨てる等のマナーを心がける

※7 内閣府「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」(令和6年12月改定)
※8 岡山 朋子「「トイレ」の劣悪な環境は命と尊厳に関わる深刻な問題」ヘルシスト295号(2026年1月10日発行)掲載

●【まとめ】今すぐ取り組める3つの行動

災害時のトイレ対策で最も危険なのは、「トイレに行けない・流せないから」と水分を控えたり排泄を我慢したりすることです。我慢は脱水症状やエコノミークラス症候群などの重篤な健康被害を引き起こします※8。高齢者から子どもまで、誰ひとり取り残さず尊厳を持って乗り切るために、できる範囲で、以下の3つの行動に意識を向けていただければと思います。

1.【命を守る】 猛暑期であっても水分補給を躊躇せず、絶対に排泄を我慢しない。

2.【環境を守る】 「マイ衛生ポーチ」の携帯や二重袋・防臭袋での密閉など、手元でできる衛生管理を始める。

3.【ご家族やお知り合いの方、地域の方へ広げる】 マンションの排水ルールやお住まいの自治体のゴミ出しルールをあらかじめ確認し、ご家族やご近所と情報を共有する